今回は、映像制作における観客心理の操作術について、ちょっとマニアックな話をしたいと思います。
観客は「無意識」に操られている?
皆さんは、映像を見る時、どんなことを意識しているでしょうか?ストーリー、キャラクター、CGのクオリティ…色々ありますよね。
でも実は、観客はもっと「無意識」的なレベルで、映像から様々な影響を受けているんです。
例えば、「右から左への動き」 と 「左から右への動き」 。
同じ被写体が同じスピードで動いていても、観客に与える印象は全く違います。
なぜ「右から左」が自然なのか?
その理由は、人間の心臓の位置 にあります。
心臓は体の左側にあるため、右から来るものに対しては自然と警戒心が薄れます。
一方、左から来るものに対しては、心臓を守るために本能的に緊張してしまうのです。
これは、舞台における「上手」「下手」 にも通じる話です。
上手(客席から見て右側)には、大きなもの、重要なもの、安定したもの が登場し、
下手(客席から見て左側)には、弱いもの、不安定なもの、緊張感のあるもの が登場します。
CGデザイナーも知っておくべき「演出の裏側」
CGデザイナーは、映像のクオリティを高めるだけでなく、観客心理を理解した上で映像を制作する 必要があります。
例えば、
- 「右から左への動き」 を多用することで、安心感 や 安定感 を与える
- 「左から右への動き」 を効果的に取り入れることで、緊張感 や 不安感 を煽る
- 「上手」 に重要なオブジェクトを配置することで、観客の注目 を集める
など、様々なテクニックを駆使することができます。
3D映像は本当に「没入感」を高めるのか?
近年、3D映像が普及していますが、本当に観客の没入感を高めているのか? という疑問も投げかけられています。
「物が飛んでくるように見える」 ことが、必ずしも観客にとって快適とは限らない という指摘は、非常に興味深いものです。
まとめ:観客心理を理解し、映像を「操る」
今回は、映像制作における観客心理の操作術について解説しました。
CGデザイナーの皆さんは、ぜひ今回の内容を参考に、観客心理を意識した映像制作 を心がけてみてください。
より観客の心に響く、素晴らしい作品を生み出すことができるはずです。