誰に向けて作品を作るのか
みなさんは、これからそれぞれに映像作品を作ろうとしています。さてみなさんは誰に向けて作るのでしょうか?
ここ20年で映像作品を作る環境が変わってきました。
アニメにもデジタルの波がやってきて、CGが加わり撮影作業がデジタルに移行し After Effectsでのコンポジット作業が中心になります。
その他にもVFXでの映像表現がどんどん進化し、実写とCGの境がわからなくないものがどんどん出てきていますよね。それはパソコンの普及とソフトのサブスクリプション化により導入コストが下がってきたことが起因しています。
みささんもその波の中にいる真っ最中で、学んでいることになります。
手軽に手に入る制作環境ですが、果たしてあなたは、
「誰に向けて作品」を作るのでしょうか。
ヒットしている作品には共通してターゲットの特定がとても明確であることにあります。
映像表現は多様化し、色々な種類の映像が出てきたことで、私たちは、それぞれのジャンルに対して、明確なコンセプトと自分のまんがを読んでくれる人に対する意識が、とても重要になっています。
例えば、こんなこと思っていませんか?
自分が作りたいものを世に出した場合に何が起こるのでしょうか。
「自分の描きたいもの、伝えたいものだけで満たされた作品は独りよがりになりやすい」という作品ではなく、「目の前にいる喜ばしたい人を思って作る」作品を作れるように考えていきましょう。
世間のニーズ=自分の書きたい内容=作品のスタイル
この三つが重なったところが作るべき作品となることでしょう。視聴者満点の作品を求めていない
1本の映像を完成させるためには、本当に沢山の技術、表現方法が必要です。
絵を描くのが上手だけでもストーリーを作れないと映像やアニメになりません。絵とストーリーが出来ただけでも今度は演出ができません。その作業段階で手が止まることでしょう。
以上を踏まえ7つの工程を踏んでいただきます。
AからGまでの各項目を順番に設計していきます。
そしてその設計をもとにチェックしながら作っていきましょう。
文章などについては、Googleドキュメントやワードでまとめていきましょう。
チームで制作する場合であってもドキュメントを共有することでスムーズに制作できます。
A:企画 アイデアベース
1:ベタなアイデアを沢山出し、選別しない。
ここでは複数人で制作する場合、否定をしない。
肯定し、量を重視する。
2:良いと思うアイデアを種別する。
3:種別したアイデアをくっつけることで新しいものになるか試してみる。
4:出てきたアイデアを3つ程に絞りそれぞれ200文字以内にまとめてみる。
5:比べて順位を付ける
B:構成 ストーリーベース
1:用意した企画の面白さを損なわないようにプロットを構成する。
2:問題解決に至る流れを取り入れる
3:伏線を撒く、伏線を回収する、意外を設定する。
4:ストーリーに厚みを出す為にできることを考える
5:裏付けできることを調べる、歴史や設定など
C:エピソード
1:エピソードの概念を理解する
2:自分から出てくる経験エピソードを付けてみる。
3:エピソードを構成コンテに撒いてみて尺にしてみる。
4:必要なシーンとカットの絵が見えてくる。
D:キャラクター
1:自分が作るキャラクターが何型のキャラクターか認識できているか?
2:自分にとって主張のできるキャラクターを考えよう
3:視聴者を意識したキャラクターを設定できるか考えよう
4:魅力を発掘する。
5:キャラクター同士の関係を考えよう
E:セリフ
1:映像はセリフより画で見せることがメインだと考えよう
2:説明セリフと本来のセリフの違いを考えよう
3:視聴者を意識したセリフを考えよう
F:演出
1:コミカル路線、シリアス路線、感動路線を軸に考えよう
2:演出だけで視聴者の気持ちを動かせるか考えよう
3:狙いを演出で表現できているか考えよう
G:ルック制作
1:世界観を伝える画を用意しよう
2:シーンを理解できる画を考えよう
3:見どころになるカットを選んでファイナルに近い画を作る
4:ここで必要なものが足りていないと気づいたら引き返して再考しよう。
エピソードとストーリーの違い
エピソードは、友達や知り合いに「日曜日に買い物行った時に前の人がさ・・・」的なちょっとしたお話。
ストーリーとは、スタートから終わりまでを述べたものであって、エピソードはその断片にあたるわけです。
この違いを覚えておけば、ストーリーを書いているのかエピソードを書いているのかがわかると思います。
俯瞰的な順番で言えばストーリーが1番引いた話であり、2番目がエピソード、そして3番目がシーンであり、4番目がカットとなり、細かく言えば5番目にキャラクターやアニメーション、背景などの要素が入ってくる感じです。
みんなが作品を作るときにおかしくなるのが、
この順番を5番目ありきで考えてしまったり、複数のことをいっぺんにやり出したりすることで混乱や噛み砕くことをせずに思考を巡らせてしまうことです。
この順番通りに進めておかなければ、わからない目標に向かって制作迷子になります。
部品を作ることに執着する人もいますが、大前提でその部品はどこに使われるか解って制作物を作るのか解らなくて作るかで適切な素材を制作するには修正や変更が必然的に増えることでしょう。
制作現場では、いかに少ないコミュニケーションで制作物を上げてくるかが価値のあるクリエーターとして認知されることになるからです。
だからと言って、わからないことを聞かずに自分の考えたことをそのまま進めると単なる地雷を自分で作っていることになります。
対策
解っていることと、解らないことを分けて質問できるようにすることで、コミュニケーションコストを下げることができます。
ということは、制作する事象に対して自分なりの仮説を用意しその意見を擦り合わせて結論を出し続けるしか方法がありません。
そのことをおろそかにチーム制作をすると制作ベクトルが狂うことになります。
日頃から考えていることをアウトプットする訓練とインプットしたことが整理することを常に意識して生活できるようになれば、息をするようにクリエイティブな思考が備わり対応力がついてくることになります。