全てで、24工程あります。
作業工程に移る段階での制作メンタルについても記述します。
1.スケジュール作成(納期決め)
↓
2.案出し
↓
3.企画
↓
4.プロット
↓
5.企画書「清書」
↓
6.リファレンス集め
↓
7.企画コンテ
↓
8.ルック制作(世界観)
↓
9.スケジュール見直し
↓
10.企画動コンテ
↓
11.演出コンテ
↓
12.演出動コンテ
↓
13.アニマティクス
↓
14.作業フロー構築
↓
15.背景制作・キャラクター制作・小物制作
↓
16.静止画でカットを埋める
↓
17.アニメーション
↓
18.レイヤー別レンダリング
↓
19.AEコンポジット
↓
20.映像編集
↓
21.SE・MA編集
↓
22.初稿プレビュー
↓
23.修正
↓
24.完了
以上の工程を踏まえて制作します。
途中、ガンプラに例えた話が入ります。
1.スケジュール作成
スケージュールは、課題の提出日と課題のスタートを決めます。
そして、上記のフローを入れていきます。
この時点では、暫定のところもでてきても構いません。
大まかに把握することが目的です。
まずスタートとゴールを設定していきます。
どれぐらいの山に登るのかおぼろげでも高さぐらいは知った方がいいですよね。
それを知っておけばどれぐらいの装備で山に向かえばいいか考えれます。
ガンプラで言えば今の生活で模型を作る時間があるのかの確認です。
2.案出し
案出しは、基本的に全て公定しながら数を出しましょう。
その出したなかから選ぶだけではなく、出たものを合わしたりしながら
パターンをいっぱい作りましょう。
一発でいいものが出るわけではありません。
めんどくさくもあり、面白くもあり、醍醐味でもあるもっともクリエイティブな場所です。
山の高さがなんとなくわかり、山頂までのルートを考える段階です。
著名な方々のアイデアの名言をつづっておきます。
”僕はまず『そもそも論』を考えるべきだと思う。どんな仕事のときでも『そもそもこの仕事はなんのためにするのか』を考えろということだ。いつもそう考える癖をつけておけば、それが仕事のアイデアに繋がっていく。
三木谷浩史 楽天グループの創業者”
”ほとんどの人は、もうこれ以上アイデアを考えるのは不可能だというところまで行きつき、そこでやる気をなくしてしまう。私にいわせれば、いよいよこれからだというのに。
トーマス・エジソン 発明家”
アイデア、新発見は日常の世界にある。アニメやマンガは物語を表現する上での媒体でしかない。アニメの勉強だけしていても作家にはなれない。
富野由悠季 ガンダムの生みの親 アニメ監督"
ありとあらゆる人生への好奇心が、偉大な創造者たちの秘密だと思う。
レオ・バーネット 広告エグゼクティブ"
3.企画
企画は、案出しで出てきたものをまとめ上げる作業です。
プランニングともいわれます。
前段階で草案としてラフの手書きをまず作ることから始めることをお勧めします。
慣れてくれば、テキストエディターやGoogleドキュメントなどを使ってある程度の文字情報を書き出しましょう。
まとめあげるコツは、まず適当にでもまとめてください。
すると絶対、矛盾が出ます。その矛盾をどうすれば解決するかに時間をかけた方がいいとおもいます。
プロは、矛盾を消すところに力を割きます。
矛盾がとれてから、付加価値を与えていきます。
ここでは、ガンプラを買うかほかの模型を買うかを考えている段階です。
4.プロット
プロットは、作品を作る上での文字を元にしたストーリーを形成するために必要な作業です。
この作業は、シンプルですが、この段階で頭に絵が浮かぶ人もいるでしょう。その場合は、
手書きでも構わないので、挿絵を描いておくのも良いと思います。
カットのイメージも浮かぶ人はそれも書きましょう。
プロットが得意な人はプランナーやデレクションに向いている人かもしれません。
ガンプラで言えば、こんなガンプラ欲しいなって思っている段階です。
5.企画書「清書」
そして、illustratorやPowerPoint、Googleスライドなどのビジュアルソフトを使い、
画像や図形、グラフなどを用意してください。
使う文字や画像、図形がそろってら、見やすくレイアウトしましょう。
プラモデルでいうと、箱のデザインです。
箱のデザインの内容を見て買うか判断しますよね。
アニメやCMなどの映像を作る時にこの企画書にお金を払うわけです。
お客さん目線で言うと、買いたいガンプラの箱かどうかになります。
アニメやCMだとしたら、スポンサーやクライアントはそれに数千万円払う価値があるか
判断されるものなので、ぜひとも大切に扱ってもらいたいです。
ガンプラで言えば箱のデザインを仕上げることになります。
手に取って買いたくなる箱のデザインにしあげましょう。
別ページに企画書の書き方を記述しました。
■企画書の書き方
6.リファレンス集め
企画書に沿ったイメージをWebや書籍から、かき集めましょう。
パソコンのフォルダーに「リファレンス」というフォルダーを作って画像を保存しましょう。
動画だったら、VimeoやYouTubeのURLをフォルダーに入れましょう。そして、必要なカットのスクショも取りましょう。
画像は、ピンタレストやべハンスなどの参考になりそうな画像を探します。
まずは、最終イメージに近いものを探します。要は世界観です。
そして、人のイメージだったり、背景のイメージ、登場する草木や家具など、
どんどん細かく探していきます。それ事にフォルダを作っておけば探しやすいフォルダー構造になるのでお勧めです。
もし、企画書の後にこのリファレンス画像のページを追加しておけば、グループ制作での情報共有として理解されやすくもなります。
結構前段階だけでもめんどくさいですよね。
欲しいガンプラのパンフレットを眺めて買うか買わないか決めるようなところでしょうか。
翌日の模型屋に行く心境と近いと思いませんか。
7.企画コンテ
企画コンテは、企画を元にざっくりシーンがわかる構成で作ります。どれぐらいのボリュームの作品なのかがわかります。
どれぐらいの尺なのかもわかります。
なにが伝えたいのかがわかります。
ガンプラで言えば、説明書の表紙にあるモビルスーツの設定みたいなものです。
▮企画コンテとは?(当サイトリンク)
https://liquidblocklesson.blogspot.com/2023/04/blog-post_29.html
そこから、3シーン程えらんで、静止画を作ります。
その時は、1から作るのではなく、Webから必要な画像をかき集めます。
素材に使えそうな、人や家具や草木などをコラージュして作ります。
これだったら、絵を一から始めなくてもかき集めて作ることができるでしょう。
この作業には、チーム制作する場合、どういうつもりなのかが見えてくるフェイズに
なります。
作品は、つもりつもりを積み上げて作っていくものです。
もちろん失敗もありますが、このように工程を踏んでいけば、一から考え直さなくても、
工程を一つ戻る程度で済みます。
ガンプラで言えば、どのようなジオラマに置けばカッコよいか考えるところです。
楽しい作業だと思います。みなさん如何ですか?
すると、思ったより必要な時間コストが見えてくるので調整しましょう。
作業フローもおぼろげに見えてくるところもあるはず。
その工程も細かく出せそうだったら出しましょう。
Googleスプレッドシートにあるガントチャートをお勧めします。
ガンプラで言えば、作るのに予定表を見直す感じでしょうか。
スケジュールを用意て作ったことはありませんが。
10.企画動コンテ
企画コンテを元に画像を繋いだ動コンテにしましょう。もし、この時点で音楽などを挿入したり、
ナレーションやセリフ、口で喋った効果音などあれば、より作品の
世界観がわかるものになってくるはずです。
恥ずかしがらず、効果音はスマホで録音して使って下さい。
人のいないところでどうぞコッソリ収録してください。
ガンプラで言えば、説明書にある完成予想のをカッコよい順番に並べているイメージでしょうか。
11.演出コンテ
演出コンテは、カット割りを細かく設定し登場するものに指示を書き込みます。カメラの動きやカットに意図など細かく書きましょう。
最高峰のコンテは、新海誠監督でしょうか。
ガンプラで言ったら、ひとつひとつのパーツの接続について細かく指示を書くことになります。ポリキャップを無くさないようにしてください(笑)。
12.演出動コンテ
演出コンテを尺にしたものです。ここで、各カットの尺がわかるようになります。
尺がわかるようになれば、必要な各カットのボリュームが理解できるでしょう。
参考に演出動コンテが作品と対照になった動画を参考にしてみてください。
ガンプラで言えば説明書を一通り自分で作った感じでしょうか。
13.アニマティクス
アニマティクスからやっと、CGらしいことに入っていきます。演出動コンテのカットに合わせて意図を持ったカメラレンズの設定やカメラアニメーションを付けていきます。
実写で言えば、ロケハン(ロケハンティング)みたいなものです。
仮で作っていって制作工程を俯瞰に見る為に必要な作業です。
ガンプラで言えば説明書に沿って仮組でパーツを組んでいく感じでしょうか。
14.作業フロー構築
CG作業の素材がどれぐらいいるのかを洗い出しましょう。キャラクターモデリング:○○体
背景シーン:○○カット
小物モデリング:○○体
キャラクター1アニメーション:○○カット
キャラクター2アニメーション:○○カット
ライティング:○○カット
レンダリング:○○時間
カラーグレーティング:○○時間
コンポジット:○○カット
エフェクト:○○カット
以上が大まかな項目です。
複数人で制作する場合は、それぞれを平行して制作していきましょう。
一人で制作する場合、私は背景・キャラクター・小物の順番で作っていきます。
理由は、まずカメラの幅に収まるものから作っていけば制作ボリュームを把握しやすくなり、キャラクターはこのあたりにあればと考えれる上でアニメーションも考えることができるからです。
後のレンダリング作業にもつながってきます。
背景が決まればAEのコンポジションに並べることでつながりも意識できます。
大まかに完成形をイメージさせていくことで、大枠で考えることで、作品の力の入れどころも把握できボリュームを各カットでコストのランク付けまで考えれれば進行度合いに安心ができていきます。すると制作者本人の感情起伏がなだらかになります。
みんなは、制作するときに不安になる種をしらない間にまき散らしているところもここらへんで気付くと思うんです。
ここでスケージュールも確認してください。
思ったより早く終わったり、思ったより時間かかるがわかってきます。
ガンプラで言えば、初めて各パーツが組みあがったものを組み上げていくところに入ったところです。顔と体を付けたところです。
16.静止画でカットを埋める
静止画は、背景制作、キャラクターの場所、小物でレイアウトを決めて、それぞれをレイヤーを分けて静止画をレンダリングしましょう。
AEで各カットのコンポジションに入れましょう。
するとドンドン入れるとカットが埋まっていきます。
結構安心できますよね。
あとはやることがここで明確になってくるはずです。
マルチパスレンダリングのテストもかねておきましょう。
影用素材や光物素材、レイヤー要素を理解して別々に出しておけば後でレンダリングコストも下げることもこの段階で考えれます。
ガンプラで言うと、組みあがっていく中でデカールを張るのを我慢して色を塗料をどのように塗ろうか考えるところです。
時間コストのかからないカットから進めていきましょう。
作業のテンポが前半でつけていけば結構進行度合いが速く思えて作業にリズムが出てきます。
時間コストの高いカットに手間をかけることで、気持ちもどっしり構えれるはずです。
18.レイヤー別レンダリング
レイヤー別でムービーのレンダリングを仕掛けるために、ライティングなどの設定を決め書き出していきましょう。
おすすめの3Dからのレンダリングする画像拡張子はpngです。
アルファつきの画像にしましょう。
静止画の時に設定したものを動画として連番で出しましょう。
マルチパスレンダリングで要素で出せばコンポジットで使える素材になります。
https://youtube.com/playlist?list=PLsQ-vf3x3bqceab64IJlU99IgYC60zew4
19.AEコンポジット
AfterEffects(AE)のコンポジット作業は、最終の画作りクオリティーを左右するパートです。カラーコレクション(カラコレ)やエフェクトの実装
2Dアニメーションのシーケンス制作と、最終的に必要なものをまとめる場所です。
キッチンだと捉えるとわかりやすいと思います。
各所ソフトで作ったものをAEに実装し、その素材をおいしくするために必要な調味料で味付けからお皿の盛り付けまでするソフトとなります。
最近ではモーショングラフィックスのソフトといわれていますが、AfterEffectsは、読んで字のごとく、「後の効果」です。
3Dソフトで制作したものや2Dソフトで制作したものは「素材」なので、調理でいえば大根や肉ということです。
AEでその素材でカレーを作るんだと決めて触ることでイメージがしやすくなります。
20.映像編集
映像編集は、すでに動コンテである程度できていると思います。その動コンテの各カットをAEで書き出した映像ファイルとドンドン入れ替えていきます。
するとできたところが埋まっていきますね。
どうでしょう。もう出来上がりがシーケンス上で見えてくるでしょう。
AEで作ってもいいですし、それともPremiereで作っても構いません。
目的は、視聴者にとって見やすいものになっているかを改めて考えれるフェイズになります。
よって、ここで、各所の修正についても検討できるところです。
調理で考えると、どのようにコース料理として成立できるかを考えることになります。
食前酒スタートかそれとも前菜スタートがいいのか、メインディッシュは魚か牛か鳥かみたいなことを考えながら作れると思います。
21.SE・MA編集
映像編集で尺が構成されたことで、必要な音に関わる内容を入れていきましょう。効果音や楽曲など雰囲気にあわせたものをあてがえます。
オススメは、自分のハードディスクに「SE」用のフォルダ「楽曲」用のフォルダを用意しておけばライブラリーを作成することができます。
色んなサイトにある「著作権フリー」の音源を集めておけばどのときに使えるかも想像しながらサイトを巡ることもできることでしょう。
特定のお勧めサイトはありませんが、一度Google先生に頼んでください。
僕自身は色々参考にしているサイトを知っていますが、自分自身で検索して色々とかき集めてみて好し悪しを理解して巡ってみては如何でしょうか。探す能力は社会でもかなり必要とされるスキルですからね。
ここまでくれば、もうガンプラも完成です。
22.初稿プレビュー
初稿をレンダリングしましょう。メディアエンコーダーでH264の4,800MHzで書き出しましょう。
レンダリングには時間がかかる場所が存在します。
あくまでも目安のレンダリング時間です。
レンダリングする場合はどこか空いたPC台にさせましょう。
23.修正
修正は細かなミスがあると思います。カットのつなぎに黒が入ったや、各レイヤーのイン点がそろっていないなどあると思います。
ここで3Dのアニメーションを修正したい場合は、そのアニメーションしたいレイヤー分だけ3Dでレンダリングして差し替えることができるでしょう。
影などの影響が背景に及ぶ場合は、背景の影も別で書き出しましょう。
カメラが変わらないのであれば、背景は出しなおす必要はないですよね。
これで、別々のレイヤーで出力したことにより、修正が億劫にならなくて済みます。
マルチパスレンダリングとレイヤー別がここで効力発揮します。
24.完了
これで無事に終了です。納品であり課題提出となる工程です。
お疲れでした。
最後に
以上がCGアニメーション映像の作り方の順序となります。
どうでしたか。
改めてみると結構な工程です。
この工程順序がゲームでいうセーブポイントみたいなものです。
この流れで現在の作業がどこなのかを把握することで、一歩一歩進んでいることを実感できると思います。
小さい作品でも大きな作品でも基本は変わりません。
大きくなれば、その大きさをさらに細分化することになるだけです。
まずは小さな作品を数多く作るようにお勧めします。